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年金制度の現状と課題【解説】

基礎年金(給付2)年金への上乗せ-年金生活者支援給付金(その1)

年金生活者支援給付金をご存知でしょうか。
これは、年金給付への上乗せとして2019年10月に導入されました*1。現在、国庫負担を財源とし、785万人に対し計3,922億円が給付されています(2023年度*2)。年金生活者支援金給付金も、年金と同様、老齢、障害、遺族の3種類があり(図表)、785万人の内訳は、それぞれ563万人、214万人、8万人となっています。563万人は65歳以上人口の概ね6人に1人の割合ですから、かなりの割合で給付を受けていることになります*3。以下、老齢年金生活者支援給付金に焦点を絞り、その概要を整理します。


まず、給付要件です。
要件は、生まれ年などによって微妙に異なるのですが、おおまかには次の通りです*4。

1. 65歳以上で老齢基礎年金を受給している。
2. 世帯全員が市町村民税非課税である。
3. 前年の年金収入とその他の所得の合計が約81万円以下である。

81万円とは、基礎年金の満額に相当する額です。なお、年金収入とその他の所得の合計81万円で給付を急に打ち切ってしまうと81万円を超えた人が不利になるため、81万円を超え91万円までは補足的に給付がなされます(平均は月額2,116円です)。老齢年金生活者支援金給付金の受給者563万人のうち106万人がそうした人たちです。

次に、給付額は、次のAとBの合計です。
A.  5,450円×保険料納付月数÷480か月
B. 11,551円×保険料免除月数÷480か月

480か月とは、基礎年金の満額受給に必要な月数です。こうした計算方法の結果、第1に、保険料免除の期間が長い人に対し給付が手厚くなっています(図表2)。例えば、保険料を480か月納付した人すなわち免除月数0の人、240か月納付し240か月全額免除を受けた人、それぞれの給付額は5,450円、8,501円となります。

第2に、保険料の未納月数は給付額の計算対象になりません。未納と免除は全く違います。未納とは、日本年金機構に免除申請をすることなく、保険料を払わないままでいることです。例えば、保険料を240か月納付し240か月未納だった人の給付金は2,725円となります。

では、実際の給付額はどうなっているのでしょうか。563万人から補足的な老齢年金生活者支援金給付金の受給者106万人を除いた457万人の給付額は、月額千円に満たない人もいれば、1万円を超える人もおり、平均は4,014円となっています(図表1)。次回は、こうした老齢年金生活者支援給付金の課題を整理します。

*1 年金生活者支援給付金の支給に関する法律(2012年11月16日成立)。https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/topics/2012/tp0829-01.html
*2 厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業年報-2023年度-」年金生活者支援給付金の状況。
*3 2024年3月1日の65歳以上人口は3,623万人。
*4 詳細は、厚生労働省HP「年金生活者支援給付金について」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000143356_00002.html


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